中間法人税の納付書が届かない?ご自身で納付する方法を解説
こんにちは、税理士の武田です。
「中間納付分の法人税について、納付書が届く前に税務署から督促状が届いた!」という方向けに「なぜ督促状がいきなり届いたのか?」と、「納付をご自身でおこなうにはどのような手続きをすれば良いのか?」について簡単に解説致します。
この記事はこんな人におすすめ!
- 税務署から中間法人税の督促状がいきなり届いた人
- 納税の手続きを紙の納付書でおこなっている人
- 法人税の申告をご自身で行っている人
納付書の事前送付とりやめ及び延滞税
1.納付書の事前送付とりやめ
国税庁は、令和6年5月以降の送付分から、紙で申告をしている法人などを除き、中間申告用の納付書を紙で送らないことを公表しました。
つまり、e-Taxで電子申告をしている法人については、これから紙の納付書は届かないことになります。
ただし、消費税の中間納付書については引き続き紙で送付され、また、地方税(事業税や法人住民税など)については従来どおり紙の納付書が届きます。
そこで、国税から紙で納付書が届かない「法人税」「地方法人税」の納税方法について、新たに検討する必要があります。
2.延滞税
ここで気になるのは延滞税です。税金の納付は当然、督促状が届いてからになるので延滞税を追加で課されることになるのですが、延滞税は以下の算式で計算されます。
延滞税
- 令和4年1月1日から令和6年12月31日までの期間は、年2.4パーセント
具体例:
4月1日開始事業年度、3月末決算法人の中間法人税が500万円だった場合を考えてみます。この場合、中間法人税の納付期限は11月30日となります。
上記の前提で税務署から督促状が届いた日を12月31日と仮定した場合の延滞税を計算してみます。
延滞税の計算
- 500万円 ✕ 2.4% ✕ 31日 ÷ 365日 ≒ 1万円
延滞税は日を追うごとに税額が加算されますので、もし督促状が届いてしまった場合は、1日も早く納付することをおすすめします。
ちなみに計算結果が1,000円未満の場合は端数切捨てで延滞税は0円となります。
納税額の確認
1.e-Taxにログイン
まずは、下記国税e-Taxの左上「ログイン」から「法人の方」を選び、利用者識別番号とパスワードを入力してe-Taxにログイン
e-Taxにログインできない?
-
利用者識別番号やパスワードが分からない場合はどのようにすれば良いでしょうか。
-
利用者識別番号がもし分からない場合は「メール詳細」や「利用者識別番号等の通知」で確認しましょう。
どうしても番号が分からない場合は「変更届出書」を提出しましょう。
新たに利用者識別番号を取得してしまうと、前のデータが閲覧出来なくなるので、注意が必要ですね。
2.メッセージボックスを確認
無事e-Taxにログイン出来たら以下の手順で中間納付額を確認します。
- メッセージボックスの「お知らせ・受診通知」をクリック
- 「法人税及び地方法人税の予定申告について」をクリック
- 「お知らせの内容を確認する」をクリックで納税額確認
- 「納付情報登録依頼の参照作成へ」をクリックで納付情報登録
利用者情報エラー?
-
利用者情報エラーが表示された場合は?
-
利用者表示エラーが表示された場合は「申請・納付手続を行う」より基本情報を入力する。
- (注)基本情報が登録されていない場合はエラーがでます
- このような場合は「申請・納付手続を行う」より基本情報を入力しましょう。
納付方法
1.電子納税
納付情報登録依頼の参照作成からインターネットバンキングを選択することで、電子納税が可能となります。
この場合は「納付番号」「確認番号」の入力が必要となります。
「納付番号」は利用者識別番号
「確認番号」は納税用確認番号です。
確認番号はマイページの還付・納税関係からいつでも変更できます。
2.クレジットカード納付
クレジットカードを使って納税をすることもできます。クレジットカードを利用することでポイントが付きますが、納付税額に応じて手数料が生ずるのがデメリットです。
詳細は下記をご参照ください
3.スマホアプリ納付
スマホアプリ納付を利用することで、PayPayや楽天Pay、au PAYなどでの納税も可能となります。スマホアプリ納付の場合、手数料はかかりませんが、30万円以下の納税に限られるのがデメリットです。
詳細は下記をご参照ください
4.ダイレクト納付
ダイレクト納付は事前に書類を税務署に提出することで、指定した日に口座から自動引落されるしくみです。
税理士がいる法人の場合は税理士サイドで納税の指定日付を設定することも出来るようになるので、ダイレクト納付を利用するケースが人気です。
税務署に提出する書類(e-Tax)は法人税や消費税などの国税を納付するために使用します。
地方自治体に提出する書類(eltax)は事業税や法人住民税などの地方税を納付するために使用します。
ダイレクト納付は書類を提出してから実際に利用出来るようになるまで1~2ヶ月ほど期間を要するので、提出は早めにしておくのがおすすめです。
まとめ
今回は中間納付の納付書が届かない場合の対応として、納税額の確認と納付方法を紹介しました。
紙の納付書を使わず、電子的納税方法を利用することで職場で納税が完了するので、自社にとって使い勝手の良い納税方法を選択して納税できるようになると良いと思います。
それでは今回のおさらいをしましょう
中間法人税の納付書が届かない?ご自身で納付する方法
- 納付書の事前送付とりやめ及び延滞税
- 1.納付書の事前送付とりやめ
- 2.延滞税
- 納税額の確認
- 1.e-Taxにログイン
- 2.メッセージボックスを確認
- 納付方法
- 1.電子納税
- 2.クレジットカード納付
- 3.スマホアプリ納付
- 4.ダイレクト納付
- まとめ
納税方法などについてご質問があればいつでもご連絡ください。
中間納付分について、紙の書類がこれから届かないとしても、ご自身でマイページの確認と電子納付を利用することで、むしろ今までより手続きが楽になるかもしれませんね。
- 個人事業主の場合の予定納税の手続きは以下で解説しております。
関連記事:
お気軽にお問い合わせ下さい
TEL:03-6823-8375
受付時間:9:00-17:00 (土・日・祝日除く)